昔(むかし)は、田(た)んぼの一枚(いちまい)だけは、かならず空(あ)けておいたものだ。 そこは、稲(いね)の苗(なえ)をつくるためだけの田(た)んぼで、一年中(いちねんじゅう)水(みず)を張(は)っていた。 そうすれば、土(つち)はやわらかくなるし、雑草(ざっそう)も生(は)えないから。 この田(た)を、種池(たねいけ)と言(い)っていた。