「これこれ、そこの者。どうか、そのアブを、この子にゆずっておくれ」 牛車の中からおくがた様が、声をかけました。 「これは、神様にいただいた大切なワラですが、そうおっしゃるなら、さし上げましょう」 彦造がそう言って、アブをわたすと、おくがた様はミカンを三つくれました。